錆びて消えゆくより、燃え尽きるほうがいい

けんすう氏の「はてなが消費されないことを望む」を読んでうーん・・・・・主旨は「事業の本質を理解せずに狂騒的に消費され、その寿命を縮めてしまう事への懸念」だと思うが、世の中にほとんど消費されずに消えゆく優良なサービス・製品なんて腐るほどある。ネットワークの片隅でひっそりと営まれる物からプロモーションに何十億とかけて1年持たない物まで色々だ。狂騒的消費段階までいけるサービス・製品てのはある意味では幸せ。自分達のサービスが誇れるものであり、それが過小評価されていると思うならば利用できるものは利用すべきだ。だからはてなブランドが効く今のうちに消費された方が色々と手が打てるんじゃあないかと私は思う。

って考える理由としては「はてなって結構手詰まり?」とか感じている事がある。

はてな 総ユーザ数 推移(PRから拾った数字・一部抜け補完有)

順調に伸びている。が、昨年結構色んな媒体に露出した割にはどうよ?って感じだ。
んで、今をときめくmixi 総ユーザ数 推移(PICSY blog「2006年 mixiとMySpaceはページビューでgoogleを抜く」

キャズム超えそうな期待感溢れる伸び。はてなの伸びは完全に劣っていると言える。今じゃゼロ一個少ないし。2004年10月時点でははてなの方が若干上回っていたのに。
もちろんmixiとはサービスの種類特性が違うとかユーザ数だけでは計れない価値があるとか退会率やアクティブ利用者率の方が重要とか色々とあると思うけど、僕が商いをする社長だったらあせる。ビジネスとしてなんとなく将来が描きにくい。

儲けないで長期的な安定運用を図るひろゆきという職種的なマネージメントというのもあるとは思う。

が仮に今の30万をコアユーザに最適化するとしても、かなりの高収益構造を作り出しておかないと、いつかくる次のイノベーションに対応する余裕が無くなってしまうかなあと。そもそも今のレベルで安定するならばベンチャーキャピタリストとしての梅田氏が不要になってしまうし、何よりホリエモン逮捕に際し「夢の力」というエントリーを書いた近藤氏のメンタリティーは「錆びて消えゆくより、燃え尽きるほうがいい」に近いと思う。

はてなブランド」が有効な今のうちに実行力のあるプロモーション(ベタにお友達紹介キャンペーンとかね)や新サービス12週連続リリースとかあっと驚く提携とか色々と選択肢は考えられるけど、どっちにしろ人と金が要る。そのためには知名度を上げて調達しやすくする必要がある。特に人材は重要。*1

「ネット株バブルがはじけ、ベンチャーキャピタルには見向きもされなかった」
日本経済新聞 '06年1月22日朝刊 ライブドアショック記事での近藤社長のコメント

という経験がある以上、近藤社長もそこら辺の苦労は身に染みているはず。であれば、ジリ貧になるよりは狂騒的消費を求める事もやぶさかじゃあないだろう。ブームという狂騒的消費は確かに燃え尽きるけど、何か本質的なものに触れる部分があればそこは生き残るし。

タイトルは言うまでも無くニールヤング「ヘイヘイマイマイ」の歌詞。彼が何度と無く時代の寵児になりながら現代もカリスマとしてお世辞にもうまいと言えないへなへな声で歌っているのは多分あの声の、メロディーの中に何かがあるからなんだろうなあ。

(追記 22:00)
404 Blog Not Found:はてなの夢って誰の夢?

Dan氏がご指摘のようにおいらの上記エントリーなんかはまさしくあまりにお寒い会社概要から出た妄想に近い。2005年7,8月あたり?からユーザ数、PV数のプレスリリースが出なくなったこともある種の疑念を抱かせた発端ではある。また財務状況さえ分かれば日銭が分かるので、さっさと消費されればなんて書かなくても済んだ気もする。しっかし愛される企業ってのは大変だなあ。

(さらに追記 22:10)
ちなみに最新のプレスリリースの記載では従業員14名となっております。>Dan氏

(もっと追記 22:20)
社名変更のお知らせ
イーマーキュリーミクシィ。この一点突破がうまくいくかどうか。

*1:はてなは不思議ちゃんなだけに優秀な人材でもイマイチ飛び込みにくいところがあると思う。また資本金3000万弱は何かするにはちょっと苦しい気がする。