村上ファンドによる「電通」買収観測記事

いつも拝見させていただいている財務アナリストの雑感にて「村上ファンドは本当に電通を買収するのか?」というネタが取り上げられていた。
そういや去年のフジvsライブドア騒動の時に財界展望でどうせなら電通を買収すりゃいいじゃん的記事(2005年6月)が載っていたので、そん時はこんな内容でしたというのを参考までに
■前提:メディアが欲しいんだったらテレビ局に絶大な影響力を持つ電通を買収すればいいじゃない。2005年4月15日時点の時価総額は7816億(今日付けで1兆300億くらい)
1.主要株主構成について
時事通信と共同で23%(2005年9月期も同様)、これに持株会、財団、メインバンクの持分、退職給付信託、日本生命で33.1%(2005年9月期は35.3%)であり、ニッポン放送の対立関係みたいな話も無く拒否権3割に届くのも難しいだろう。
2.買収対象としておいしい?
純資産倍率でもキャッシュフローでもあんまりおいしくない。資産は人なので買収がかかれば流出する。そもそも電通はテレビ局へは大して出資しておらず、影響力はその取引額の多さに裏打ちされたもの。
3.まとめ
買収を仕掛けることで、ガリバーの顧客基盤を他社に分散させる、既存秩序の破壊効果はもたらすかもしれない。誰かやってみてはどうか。
こんな感じで、この記事は誰に何を煽っていたのか全然分からない。その後に「財務分析」的な記事が続きますが、正直こういう数字には疎いので結論だけ書くと「別にぼろ儲けしてる訳じゃない」って感じ。ちなみに投資対象としても魅力薄って書いてるんですが、配当利回りの低さを一部根拠にしているのはどうなんだろうとか思った。あ、クライアント企業とTV局と代理店間の金の流れの話は面白いっす(代理店はCM枠を局から買い取り、同額でクライアント企業に転売、販売コミッションを局から受け取る)
それにしても最大株主の時事通信これを見る限りだと結構きついというか。どんな会社でもそりゃトラブルは日常的にあるけど、単純に7期連続赤字必至とか変なデリバティブに突っ込んで行くってのはいかんともしがたいなあとか・・・このまま日経平均と一緒にずり落ちて行くならどっかで一発仕込んでもいいのかなあ・・・まだ該当記事を見ていないんでよー分からん。
が、転売先として例に挙げられているリバティーメディアの社長って「TV広告は消滅する」って言ってる人なので、本当にこの話が進んで行くとしたらかなりの騒ぎになるんでしょうねえ。また、先日のボーダフォン買収で完全に穴馬状態ですが、ソフトバンクが出てきたら何かいよいよメディアコングロマリット(って表現が古い)
しかし放送×通信というお題目が議論され続け、竹中総務大臣が出て色んな話が何となく進もうとしていて、大量保有報告のルール改正とかもありながらなんかもうプレーヤーが多すぎて混沌。だれか分かりやすく解説して。
(追記)大量保有報告については在日米国商工会議所から「現状維持して」って意見書が出てるそうな。
(さらに追記)昨年末には(よくある指摘ではあるけど)公取委からツッコミが入ってた。 リンクはPDF