監察医制度:とりあえず死ぬなら東京?

野口さん関連の情報読んでるとそこかしこで「沖縄には監察医制度が無い=行政解剖しない」というのがあった。いや、んな事言ったら大都市でしか行政解剖は無いって事になる。さすがにそんな分けないだろうと思って、ちとメモ。

監察医制度がある地域は、東京都特別区大阪市名古屋市横浜市・神戸市の5地域であり、監察医は常勤または非常勤といった形で監察医務院という施設に所属している。それ以外の地域では大学の法医学教室がそれに準じて行っている。監察医 wikipedia

監察医制度が置かれていない地域では行政解剖を行いたい場合、承諾解剖という形を取らざるを得ないが、その場合、遺族の承諾が必要になるので執行に不都合を生じたり、検案のみですます場合も多い。しかし、検案のみによる誤診率は非常に高く、これらの地域では公衆衛生上、または、司法制度上、不十分と言わざるを得ない。
監察医-3 監察医業務の流れ wikipedia

ってことで、沖縄だから行政解剖が無いってのは嘘っぽいなあ。ま確かに検案誤診率が45%ってのは問題。んでもこんな情報もある。

沖縄はかつてアメリカの統治下にあったため、監察医制度が進んでいたんです。
〜(中略)茨城、神奈川、埼玉、沖縄などの各県でも類似の監察医制度を設けて、変死体に対応している
月刊情報紙「有鄰」 上野雅彦と『毒殺』-藤田昌司 平成11年6月10日

なんとなく本土復帰後も制度に連続性があるとは思えないんですが、まあさもありなん。とりあえず現状としては以下のような感じらしい。

戦後いわゆる監察医制度というのが取り入れられたんですが、一応全国で五都市、五大都市に制度としてはあるわけでございますが、実態面からいうと東京だけでして、いっているのは。大阪も、私大阪なんですけれども、大阪もそれなりにやりくりしておりますが、大変これは自治体ですから予算が乏しいという大変な中で大阪も行われている。あとの三都市はほとんど予算が少なくて実質的に機能している状態ではないという、一つこの監察医制度の実態が一つは明らかになったと。これはもう隠しようのない事実でございます。
第162回国会 内閣委員会 第14号 平成十七年六月十四日(火曜日)

とにかく予算がつかなくて大変というのは分かるけど京都、福岡は昭和60年(1985年)に制度的になくなった*1ってのはなあ。変死体の持つエラー内容が正確に社会にフィードバックする仕組みが機能してないと、とかくこじれがちな職業の人たちの安全なんか担保出来ないと思うんだけどなあ。脳みそにこんなん実装できないかなあ。

殺人見逃し大国ニッポンって話もなんとなくうなづけてしまうなあと。

*1:まあ、本当に予算が理由かって勘ぐりたくもなりますが