今日と明日

昼過ぎにもぞもぞと蒲団から這い出す。別に吸いたくもない煙草に火をつけようとするけど寒さに負け、またもぞもぞと這い戻る。
納豆玉子焼きに味噌汁という相変わらずな朝食を義務感で噛み砕いて、朝まで喉にこびりつけたヤニと一緒に流し込む。
ニュースを一通りなめて、今日もやってこなかったあのまさかにいつもの落胆。
しょうもない考えを巡らせようとしたけど代わりに便意がまわって来てビチグソ。
温かいお茶と冬の空の高さが素晴らしく優雅な気持ちにさせるけど、よれよれのトレーナーを重ね着して寒さをしのぐ捨てられない貧しさ。
CDを5,6枚かけるが、どれもはまらなくて1曲目すら再生しきれず、音楽業界の未来を大げさに憂いてみせる。
忘年会までの暇つぶしにネットをうろつき他愛も無い嘘を書き殴りからかうつもりが、見事な切り返しで冷たいソファーに沈む。
塩漬けにしていた株がいきなりボヤ騒ぎになって激しく売り。根拠の無いポジティブな気持ちになる。
いきおいオナニーが頭をよぎるが、酔った勢いというハプニングに備える狡知。
積読状態の本を処理しようと思うが、下から読まなければという無駄な誠意とタワーから抜き取る繊細な労力を天秤にかけ均衡から保留へ。
落日と共に耐えがたい寒さをしのぐためシャワーを浴びる。ハプニングに備えてチンコは丁寧に。
ギャルに囲まれて鍋をつつくも、いっせいに牛骨にしゃぶりつく光景が萎えるを通り越してほぼトラウマに。大いにくすぶりを抱えて友達のイベントに乗り込むが案の定ゲイのハッテン場のごとき集客。
テキーラを舐めながら知り合いの知り合いとかのどうでもいい話に適当に愛想笑いを続けてたら内容と逆方向の笑いだったらしくどっかに消えた。
状況が評価を底上げしている相対的美女に声をかけられるが、近距離では絶対的に不美人である事が確認され適当な友達に擦り付ける。
板尾の嫁みたいな体型で踊りまくる女性に釘付けになる。どんなにクールなハウスがかかっていようが頭の中ではマドンナ「ライクアバージン」が流れてしまいフロアで笑い転げる。
さっきの相対的美女が擦り付けた男と凄い勢いでいちゃついていてちょっと後悔するが、とりあえず無かった事にしてみる。
朝日と共に自転車爆走して街中にくすぶりの放射。

しょうもない事に疲れ果ててまた一年が終わる。